かれこれ28年前、
私は成人式を迎えず、
社会人陸上選手として
普通に練習をこなし、
その日を寮で過ごしました。
ところが、次の年の年末頃になって、
いや、
一生に一度の成人式を経験していないのは
とてももったいない事だった。
と思うようになり、
忘れもしない12月26日に
来年の成人式の
ヘア、メイク、着付け、撮影
の予約を取れないだろうか。
と思って電話ボックスへ行き、
電話帳を開いて
あ行の1番初めから美容院に電話しました。
すると、その一本目の電話で
朝2時の予約が取れました。
(おそらく最後の予約だったと思われます。)
着物のレンタルも頼み、
身長、体重だけ伝えて、
着物の色や、髪飾りもお任せします!
と伝えて安心してその日を迎えました。
さて、当日は私が一番乗り。
髪の毛は両サイドは刈り上げていたので
初めてお会いする美容師さんに
どうしようか。どうしようか。
と悩まれた結果、
上にペーパータイプの平べったい髪の毛を
クルクル巻いて乗せて、
これがアップスタイルだよ。と、
その周りをピンクの髪飾りで彩りました。
そして、肌色が日焼けで黒かったので、
どう見ても首と顔の色が違うけど、
合うファンデが無く、そのまま続行。
リップはサーモンピンク。
アイシャドーもサーモンピンク。
そして、借りた着物もサーモンピンク。
そこで、
なるほど。
着物とメイクは
合わせないといけないのだな。
と、何となく納得。
(この当時はそれが当たり前。)
それから数人集まって専用バスに乗り、
会場近くの撮影場所へ向かいました。
沢山のポーズの要望に応え、
何度も笑って下さい。と言われ、
着物の写真を撮る
大変さを知りました。
そしてやっと式が始まる頃、
会場前は着物を着た子達でいっぱい。
みんな中に入らず喋るんだな〜。
と思いながら中へ入ると、
行列だったのでその後ろに並び、
私の番が来たときに、
地区と、お名前をお願いします。
と言われたので
フルネームと住所を書きましたが、
ない。ない。と探しまくるスタッフさん。
昨年が成人式の者です。
と言うと、
なんだ〜。。という表情で
あちらへどうぞ。
と示されたときに気付きました。
昨年、
実家に届いていたあの品物は
本当は
当日貰うものだったんだ!
と、また納得。
そして式が終わり、
まだ広場で喋っている人達を眺めながら
またレンタル会場へ戻って着替えて、
支払いを済ませて寮へ帰り、
一睡もせずに練習に参加しました。
それから1ヶ月後、
父親から凄い勢いで電話があり、
「たかこ〜っ!
何で成人式にお父さんを
呼ばなかったんだ〜〜〜!」
と叫ばれ、そのあと
「たかこ、綺麗だぞ〜!」
すっかり言い忘れていましたが、
成人式のアルバムは寮ではなく、
実家に届くようにしてて、
それを開いて見た父親からの電話でした。
3月くらいに実家に帰ると、
私の全身の着物姿が
模造紙くらいの
大きい一年カレンダーとなって
和室の壁の真ん中に貼ってあり、
それを見ると、
顔は首より白く、
唇も顔より白く、
目の上はピンクというより白く見え、
色黒の私にはサーモンピンクの着物は
あまり嬉しい仕上がりではありませんでした。
それを唖然として見ている私に、
「お〜〜!たかこ!
みんなが
綺麗な娘さんですね。って
褒めてくれるぞ〜〜っ!」
と、喜んで言うお父さん。
そりゃあ、褒めますよ。
間違いなく、
この写真の子は私の娘なんですよ!
と言っているに違いないので。
ただ、3年ほど前に気付きましたが、
成人式でたった1人で来て、
全部1人で予約して支払いもして帰る。
と言う該当者は1人もいないという事。
今思えば、電話だけの予約で、
いきなり本番で用意された着物を着る。
という方はいません。
せめて、着物の色くらいは合わせようよ。
と、周りは思った事でしょう。
お陰様で、
きっとメイクに入ったスタッフは、
着物の色に合わせたメイクをする時代なので、
この人、肌黒じゃん!
と、思いながら
着物の色の指示通りに
進めるしかなかったのでしょう。
その時代では、
成人式と言えば、髪の毛を伸ばす。
というのが当たり前だったので、
両サイド刈り上げの人が来て
さぞかし驚いた事でしょう。
後から、後から、
私は浮いていたな。。。
と理解してきました。
ただ、これだけは言えます。
一通り、親並みに段取りを知ってるし、
本人の気持ちも分かるし、
会場前の広場の様子や
式の中での様子も分かる。
やっぱり成人式に
一つの経験として
参加したのは正解だったと。
でも、だいぶ大人になってから
思い出せば思い出す程、
ほぼ色んなところが普通じゃない。。。
目的は経験する事だったので
よく考えれば誰にも言ってなかったな。
昨日のブログの同じ寮にいた林田も
これを読まない限り知らないです。
ですけど、
私を知ってる方がこれを読んだら
それはそれなりに理解できるかな?
と思います。
苦い話。というより、
世の中にはこんな人も居るんですよ。
というお話でした。
長いお付き合い
ありがとうございました。
ではまた。
おわり🌟